思ったとき・話を聞いたときがそのタイミング

先日、大変お世話になった方に久しぶりにお目にかかる機会がありました。

大手企業の営業職から7年前に独立された彼に、「お仕事の方はいかがですか?」と伺ったところ、3年前にさらに立地の良い場所に事務所を移転することができて、従業員も1人ずつ増やし、現在は大変順調にお仕事をさせて頂いています、ということでした。

「でもしっかりした会社から独立されるとは、すごい決断をされたのですね。」と続けると、彼は当時の状況をお話ししてくださいました。

大手企業ということでお給料の方は不満と言うわけではなかった。しかし、仕事のやり方がどうしても会社の方針には合わず、ずっと不満を抱いていた。

このまま不満を抱えたまま気持ちよく仕事は出来ない、そう考えると独立しかないと思うように。

しかし自分には養わなければならない家族がいる、そこを考えると一歩を踏み出していいものか躊躇した。

その旨を妻に話すと、「少しの蓄えと退職金、それに私もパートにでるから」と背中を押してもらえ、独立することにした。

当初は大変なことは沢山あったが、その度に持ち堪え今に至る

とのことでした。

「いや〜、最初は大丈夫かな、って思いましたけど、もし失敗しても自分は何をしてでも家族を養っていく、と言う覚悟だけはしましたね〜。」と笑顔でおっしゃっていました。

彼は仕事で必要と感じた資格はなんでも取り、さらに仕事の幅を広げていかれているそうです。

この話を伺いながら、私は以前鑑定に来てくださった男性のことを思い浮かべていました。

業種は違えど、状況は彼と全く同じ。

長い間会社の方針に疑問や不満があり、このままの気持ちで今の会社にいるのはしんどい。

それならば、と、独立を考えているが、もし失敗して家族を露頭に迷わせることがあったら、と考えるとなかなか踏み出せない。

でも、考えている間にも、周りで独立して行く人が居て焦る。

実は一年前に一緒に会社ををやろうと声をかけてくれる人もいたのだが、その時は返事ができなかった。

今からでも遅くはないだろうか?

というご相談でした。

う〜ん・・・、長い間考えていたんですよね?

その間しっかり準備する期間もありましたよね?

自宅には事務所になりそうな別棟があり、奥様もからも、何があってもついていくし、必要とあらば事務として入ってもいいよ、と。

「じゃあ、何も心配なことはないじゃないですか?それよりもワクワクしませんか?」とお話しすると、

「独立してもうまく行くかどうか心配で、もし失敗したらどうしよう、ということが先に立って・・・。」

いやいや、そんなこと占いでもわかりませんよ。

そんなのがわかればみ〜んな大金持ちになっていますって(笑)

鑑定してみて、状況的には悪くなかったので私は彼の背中を押しました。

が、返ってくるのは

「でも〜・・・」

あ〜、これは動かれないな、と思ったのですが最後の一押しを。

「じゃあ今からその誘ってくださった方に連絡してみましょう!」

と伝えると、

「いやいやいや、それはまた後日連絡してみます。」

「そうですか・・・」

もしこの方が会社を辞めて転職や独立をしても、きっとうまくいかない、というか波に乗っていけないでしょう。

もし転職・独立をしても、腹を括って飛び込み台から勢いよく飛び込むのと、飛び込むかどうしようか迷っているうちに落ちてしまう人との違いです。

前者は、未知の世界に飛び込むけれど、勢いがあるので、前が見えずともその勢いを頼りに進むべき道を進んでいける。

後者は、ウロウロしたまま落ちているので、どちらが前か後ろかもわからず、ただ水の中から息をするために顔を出すことで精一杯、そのうち沈んでいく・・・。

私は仕事で不満を抱えて転職や独立を考えることも一つのチャンスだと考えます。

その不満がもしかすると次へのステップの一歩かもしれないと。

けれど、そのチャンスを掴むかどうかはその方次第。

思ったとき、話を聞いた時がそのタイミング

それに乗れないのであれば自分にはその才能はないと諦めて、その場所でいかに前向きに進んでいくかを考えるべきです。

話に乗らないからダメ、と言う訳ではなく、そのチャンスを生かすことができないのであればこのまま行く、それもまた才能だと思います。

ただ、やらない後悔は一生抱えて生きていくことになると思いますが・・・。