「な〜んかこの子は素直じゃないな」、とか「可愛げがないな」ということを耳にすることがあります。
ご相談でも、お母さんから「下の子には抵抗なく無条件に可愛い!って思えるのに、上の子はどうも可愛げがなくて…」というようなことを伺います。
もちろん人間なので子供みんなを平等に、というのは無理です。
でも可愛がってほしくない子供なんて1人もいないし、愛情をかけてもらわなくて結構、と思っている子は1人もいません。
でもそれができない子供もいるんです。
たとえば
- 「ありがとう」と声をかけると「そんなのしてあげて当たり前です」とか、「楽しかったよね〜」というと「そんなの全然楽しくなかったです」と、素直に喜べない。
- 注意をすると理屈で返してくる。
- かまってもらいたくて注意を引くようなことを言ってくるが、うまく言えずイラッとさせてしまう。
自分が若かりし頃、こんな子供さんを教えているとものすごく感情を使っていたのを覚えています。
時には感情的に叱ることもありました。
私も人間なので、やはり上手に甘えてくる子供さんの方が可愛いと思ってしまう。
親なら日々一緒に生活しているので余計にそう感じているのではないでしょうか。
でもこの子達だって、愛情が欲しい!かまってもらいたい!自分が1番でありたい!と感じているんです。
ただ、それをどう表現していいのかわからないだけなんです。
私がお願いしたいのは、小さなうちに上手に人に甘えることを教えてあげて欲しいということです。
私は日々たくさんのお子さんと関わります。
幼稚園や保育園、小学校と違い、一週間に一度たった30分ではありますがその子とマンツーマンでじっくり向き合います。
どんなお子さんでもやっぱり相手にして欲しい、自分は特別でありたい、という感情を持っているんだな、と強く感じます。
表現が下手なお子さんには「そういう時には『嬉しい!』って言っていいんだよ」とか、「大丈夫、〇〇ちゃんはそのままでいいんだよ」「嫌な時は嫌って言っていいんだよ、そんなことで先生は〇〇ちゃんを嫌いになんてならないからね」と言います。
負の言葉が出てきた時には「そんなことをいうと先生はこんなふうに思っちゃうよ。少しでも嬉しかったら『嬉しい!』って言ってくれれば先生も嬉しいよ〜!」と伝えます。
すると徐々に徐々に子供らしい自然な笑顔ができるようになってくるんです。
愛おしいなぁ、って思います。
もし、我が子に「可愛げがないな」と感じているのであれば、甘え方を教えてあげてください。
育て方が悪かった、なんてことはないと思います。
もちろん生活環境は大いに関係があるとは思いますが、それについてお話しするとさらに長くなるのであえてそこには触れません。
あと私が感じるのは生まれた順番は大きく関係してくるかな。
長女・真ん中は甘えるのが下手だな、と思うことが多いです。
下の子は放っておいても大抵みんなに可愛がられます。
大人になって人にうまく甘えられるのは、よりよく生きていくためには絶対条件だと私は思います。
人間1人で生きていくことはできないのだから、人に上手に甘え、上手に可愛がってもらうということは幸せな人生を送る上での戦略として必要。
猫だってとても上手に甘えてきます。
これを書いていると側に座ってこちらを見上げ、か細い声で「フニャ〜」。
私は超過保護なので、すぐに抱っこして膝の上でヨシヨシします。
我が家の猫は甘えることに関しては天才的だと思います。

もしお子さんがうまく甘えられていないな、と感じているのであれば甘え方を教えてあげてください。
大きくなるほど壁が高くなって、人に甘えるということができなくなります。
ぜひ今のうちに!