今回のご相談のテーマは「嫁・姑」。
そこは代々その家にお嫁さんが嫁いできてお姑さんに使える、というおうち。
ご相談者はお嫁さん。
完全独立タイプの二世帯ではなく、すべて共用タイプのおうちに5人で暮らしているそうです。
同居を始めて10年だそうですが、ことあるごとにお姑さんから「私の時はもっと厳しかった。私がそれに耐えてきたのだから、あなたも我慢するべきよ。」と言われ、お正月、みんなで団らんしているときに窓が汚れているから拭いてこいだの、料理の手順が違うから最初からやり直せだの、跡取りができないのはあなたのせいだ、など、いったいいつの時代なのか、と思われるようなことをさせられたり言われたりする、とのことでした。
ある時意を決して「私は家政婦ではありません。家族として扱っていただけませんか?」と訴えたところ、「何言ってるの?あなたがしている苦労なんて大したことないわ。私の時代はもっと過酷だったのよ。嫁なんだから耐えて当然よ。」とあしらわれたとのことでした。
今回のご相談からは二つのことが考えられます。
まず一つ目は「かわいいかわいい息子を取られたお姑さんの嫉妬」
もう一つは「自分が姑から受けた苦しみに対する復讐」
息子というものは格別の存在
私は娘2人なのでよくわかりませんが、これまでの経験上どうやら母親にとって息子というのは格別の存在だそうです。
「こんなこと言ったらだめなんですが、やっぱり娘より息子のほうがかわいいんですよね。」とはっきりおっしゃる人もいました。
これは今でも忘れられないのですが、結婚して一か月ほどたったある時、姑さんがわが家へ遊びに来た時のことです。
主人から帰るコールがあり「おかあさん、もうすぐ着くそうですよ。」というと、そっとバッグを持って玄関にいくので、どうしたのかな?と様子を見ると、化粧ポーチを取り出して化粧直し始めたのです。
姑は主人にべったりというわけでもなく、関係はごくごく普通、というより逆に主人は姑にはいつもそっけない態度でした。
それでも姑からすればいつまでたってもかわいい息子であり彼氏のような存在なのかなぁとその時に感じたのを覚えています。
こんな気持ちがあるのに、そこに自分以外の女性が息子のそばで息子にかわいがってもらっているということになれば、嫉妬心が芽生えるのも無理ないのかもしれません。
そして厄介なのは嫉妬心って他人がなんとかできるものではないんですよね。
自分が経験した苦労を他人にさせたがる人
今回は嫁・姑でのことですが、それ以外でも、例えば上司と部下、教師と生徒、監督と選手のような関係でも同じことがありますよね。
この関係で食事なんてすると大変。
自分がしてきた苦労話を延々とされて挙句の果てには「だから私がしてきた苦労をあなたもするべきなのよ!」というところに着地する。
自分より劣位にいる人に対して、逃げられないことをいいことに当時の自分の気持ちの処理をしようとする。
本当に最悪です。
正直こんな愚痴を言ってもその時は少しすっきりするかもしれませんが、実は話すことによってますます当時のことを鮮明にしているだけなので、その人にとってもいいことは少しもないんです。
ただただマウンティングしているだけ。
けれどそれに付き合わされているほうは、たまったもんではありません。
一つ目の嫉妬心と同じで、やっぱりこの気持ちも他人がどうこうできるもんではないんですよね。
どうしたい?
さて、じゃああなたはどうしたいですか?
一番手っ取り早いのは「家を出ていく」こと。
けれど、ご相談にいらっしゃる方はたいてい出ていくということはしません。
もし出ていけるのであればとっくに実行しているから。
たまにポンと背中を押してあげるとあっさり実行できる方もいらっしゃいますが、たいていは行動に移せません。
だったらどうするか?
相手より優位に立つしかありません。
私もそうでしたが、結婚当初はいい嫁でいようと一生懸命でした。
けれど、あちらでもいい顔、こちらでもいい顔をしているとだんだんつじつまが合わなくなって、心とからだが持たなくなってくるんです。
でね、ある時実家の隣のおばさんに言われたんです。
「あのね、いい嫁をしなくてもいいのよ。誰だって一番大切なものはあるはず。それを最優先にしていると実家が二の次三の次になって当たり前。それで文句を言われるようなら言わせておけばいいのよ。」
考えてみれば当然なんですが、私にとっては目からうろこ。
それからは頑張るのをやめました。
いろいろ言われているな、とは思いましたが、いいことにしました。
どこかで割り切らなくては自分の身が持ちません。
今は、主人両親が亡くなったのを機に実家とは疎遠になりました。
このまま同居するのであれば、鬼嫁になるぐらいの覚悟を決めてもいいのではないかと思います。
いえ、ぜひ鬼嫁になってください。
下手に出る必要はありません。
どこかで割り切らないと、この元気なお姑さんが亡くなるまでこの状況は続くわけです。
ご主人に何とかしてもらおうとしても無理。
よけい話がややこしくなってしまいます。
これは自分で解決していくしかありません。
さて、どうしますか?
- 家をでていく
- 鬼嫁になる
- このまま耐える
お姑さんは絶対に代わりません。
この状況を変えたいのであればあなたが変わるしかないんです。
選択肢は3つもあります。
自分がどうしたいのか、それをじっくり考えて行動してください!