接客業、何かを売る時に一番大切なのは?

まだ教える仕事もほとんどしていなくて、朝から夕方までの時間がたっぷりあった頃。

外で働いてみたくなり、ちょっと興味があった家具屋さんにいくことになりました。

そこは、ザ・家具屋 という感じではなく、とてもお洒落な家具屋さん。

brown wooden table with chair

ワクワクしながら初日を迎えたのですが、もちろん不安もいっぱい。

何せ家具のことなど一切わかりませんし、伝票の書き方やカードの切り方なども全てわかりません。

もちろん1から教えてくれるのですが、それは接客をしながら。

初日からお店に出て接客をしました。

なんだかよくわからないままお店に出ましたが、不思議なことに、何もわからないこの私が最初に販売したのが、なんと20万円のテレビボードと1脚35万円の一人がけソファー。

そのお客様が最初に購入しようとされていたのが3万9千円のテレビボードだったのですが、、それがなぜトータル55万円のお買い物になってしまったのか・・・。

私はただ、思ったままを正直にお伝えしただけ。

どういうことかというと・・・

その方は設計士をされていらっしゃる女性。年齢は60前ぐらいのとても上品な方でした。

「ここに置きたいの。」と見せてくださった写真は、丸い明かりとりのあるとても素敵な和室。

そんなところに3万9千円のテレビボードはちょっと似合わない。

ここは毎日生活する場所ではないということで、安価のものを検討されていたのですが、「おそらく目にするたびに不釣り合いなテレビボードに気分が下がるのではないでしょうか?」とお伝えしたのです。

そのテレビボードについて、何の知識もなかったので、商品の説明と伝票は他の従業員の方にお願いしましたが、初日から商品が売れたことは私の中では驚きと同時に刺激的なことでもありました。

数日後、そのお客様がお友達を連れてきてくださって、これまた70万円のソファーセットを購入してくださったこともあり、週3日の勤務が楽しみで仕方ありませんでした。

接客の中で商品の提案をしていき、その提案とお客様のニーズとが一致した時の達成感は大きかったです。

いくら商品の知識があって、こんなサービスがあります!とお伝えしても、お客様のことを考えていない接客では商品は売れません。

実際、自分がお客の立場でもそれは感じます。

私の経験ですが、家電を買いに行った際、商品の説明は詳しくしてくださいますが、そんな機能は必要ない、と伝えているのにその商品を売ろうとしてくる。

もう結構です!となりますもんね。

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接客して売り上げにつなげるためには、知識だったりマナーだったり、大切なことはたくさんあります。

ですが、それよりもまず、コミュニケーションを取るということが一番重要です。

そして、ただコミュニケーションを取るというだけでなく、その方が何を求めていらっしゃるのか、ということをしっかり察知していくことが必要になって来るのではないでしょうか。

先ほどのお客様も、テレビボードを設置されてみて、「やっぱりいいものを買ってよかったわ」とわざわざお店まで伝えに来てくださいました。

満足していただけてよかった!と本当に嬉しかったです。

接客業でうまくいかないと感じている方は、商品を売ることを一番に考えることも大切ですが、まずはその方にとって何が一番良い買い物なのか、ということをしっかり考えてみてください。

必ず売り上げにつながってくるはずです。

above ground photo of succulent plants on brown wooden board

さて、その家具屋さんではそれ以後も順調に売り上げを伸ばし、一番高額なもので100万円越えの1枚板のテーブルを販売しました。

が、半年後、下の娘の中学受験も無事終わったこともあり、伝票1冊きっちり終わらせて辞めさせていただきました。

せめて日曜日だけでも、と引き止められましたが、やはり誰かの下で働くことはわたしには無理だということがわかったこと、そしていくら頑張っても時給900円であることを理由にお断りしました。

ちなみに、ここで得た半年分のお給料は全て、合格祝いとして家族で行った4泊5日のディズニーランド旅行に使わせていただきました!